こんにちは、てらです。農林水産の輸出をサポートして下さるGFP事務局様から農水省輸出拡大実行戦略オンライン説明会の案内を頂き、参加したレポートをまとめていきます。 詳細を要望される方は主催された農林水産省海外市場開拓・食文化課に問い合わせ頂くようお願い申し上げます。 農林水産省海外市場開拓・食文化課 03-3502-3408
オンライン説明会の内容
日時 : 2021/1/27 14時~15時半
場所 : Zoom
人数 : 当日参加者約400人
農林水産省より輸出事業について説明
開始より30分間、農林水産省様より輸出事業についての展望や支援規模、課題点について説明。冒頭の挨拶では、官民一体となって取り組んでいきたいと今説明会の趣旨について述べられました。昨年度の輸出実績はコロナ化であっても大幅な打撃を受けているようには見られず、事業の展望は明るいという見方を示されています。
戦略の趣旨について
日本製は高付加価値があるとう日本からの一方的な視点では、他国に受け入れられない。各国のニーズに合った商品や製品をつくるプロダクトアウトから『マーケットイン』の思考で取り組んでいくべきであり、体制を整えていく必要がある。

現在のところ、国内外に輸出関連施策の専門的な機関は無くJETRO等と連携し速やかに体制を整備する。3つの具体的目標を掲げる。1 輸出品目別の目標設置 2 農林水産事業者の後押し 3 輸出障害の克服

日本の問題点は、加工品を中心に輸出品目が多岐にわたり、強みを有する産品のシェアが小さい。ゆえに、27品目を重点品目として設定。(北海道が主な対象となる品目には 牛肉 牛乳・乳製品 かんしょ コメ ホタテ貝 菓子 清酒 ウイスキー)









現状の問題について掘り下げると官民双方に課題があることを認識できる。

他国の例をみると米国では品目別のバックアップ体制が整えられており、ノルウェーでは税金を輸出事業に当てている。他国では連携を図れていることから官民の溝を埋める取り組みが必要であることが想像できる。

輸出事業への新規参入へ壁となるのが資金の問題である。リスクマネー供給のための法案をを今国会(2021/1/18通常国会開会)で提出している。


質疑応答
60分間、参加者からチャットに投稿された質疑について農林水産省から解答を得ました。今説明会には全国からそして生産者輸出事業者県庁等、幅広い立場の方が参加されたため質問も多岐に渡りました。具体的にはブリの輸出についてなどありますが、輸出全般及び北海道に関連するいくつかの質問を紹介します。
①「産地」の定義について

➁組織化されていないのに誰がイニシアティブを取るのか

➂放射能規制の撤廃及び緩和に対しての施策

④現地エンドユーザーへのアピールができていない

➄コンテナ不足


⑥中小・小規模事業者への対応

➆輸出設定目標額の根拠と事業者間ジレンマの解消

⑧輸出に対する運賃の支援はどうか

➈日本酒の産地・目標値設定

多業種の方々がそれぞれの観点から質問がありました。質問に答えるといったオープンなスタイルには賛同しますが他の方も言われていたように対象者を細分化した説明会を行うべきだったと思います。また、マイクもありますがマスクをしての答弁は聞き取りづらい部分が多かったです。ですのでこちらでは、上記質問項目に対して返答を書くことに誤解が生まれてはいけませんので質問紹介のみとさせていただきます。また、質問についてはペーパー解答を求める声もあがっており、そちらでわかりましたら記事に追加するようにいたします。
まとめ
昨年より輸出業界に力を入れていく政府方針を体現化する第一歩として今回のオンライン説明会が開かれたように思います。農林水産省から官民一体というフレーズが幾度となく用いれられていたことも含め、施策政策に本格的取り組もうとしていることは理解できました。今回の説明会については生産からコンサルティングまで輸出関連事業者全般と枠が大きすぎたため、初回としてはそのようにするしか方法が無かったとしても次回以降は対象者を明確にしてコアな議論が求められるでしょう。質疑応答にあったのですが、シャインマスカットのベトナム輸出については規制緩和できていないため現段階でも難しいことやまたコンテナ不足は米中の大きな貿易港に集約され協力を働きかけており現段階でも長期的にコンテナ契約を結んでいる業者は被害を受けていない実態があるといった説明など、事業者が求めるものとの溝はまだ深そうにも受け取りました。大ロットが困難な中小・小規模事業者への支援策が見られないというのも特徴的で施策の中にボランタリーチェーンでできるような仕組みも必要になってくるはずだと個人的に感じています。今回作成された輸出事業戦略計画についてはどれだけの事業者の声を反映できているのかは少し疑問です。目標値も実績値から算盤で弾き出したものだったため、輸出品目目標値の設定に様々な声があがったようにも推測できます。農林水産省からアイディアを求めているという発言がありましたが、今戦略の再編も視野に入れなければ厳しいのではないかと感じました。輸出実績の把握について、農林水産省は地域や品目が多く情報の全てを把握するのが難しいと述べられたのも少し疑問が残ります。デジタル庁の立ち上げとともに、農林水産省のデジタル化も行われ人材確保に動いているはずですがそれを考慮しても難しいといえるのか。はたまた、その見通しがないのか。既存のやり方では限界が見えているようにも思います。
新しいことへチャレンジすることに問題や課題は必須で解決した先に付加価値が生まれるでしょう。官民一体といった言葉が具現化されるように私たちも積極的に動いていかなければならないかもしれません。
輸出拡大実行戦略についての問い合わせがあるかたは、下記メールアドレスより可能です。

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