DX化とIT化の違い

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 どうも、Teraです。本日令和3年9月1日よりデジタル庁が発足しました。『誰一人取り残さない、人にやさしいデジタル化』の実現を目指す、日本の期待を一心に背負ったデジタル化戦略に取り組まれ前途多難は勿論覚悟の上でしょうが、心より応援しています。ところで、ここに出ているワードのデジタル化とはIT化でしょうか、それともDX化なのでしょうか。これからデジタル庁が打ち出すデジタル戦略がIT化かDX化のどちらに分類されるのか判断できないと行政がしていることは何なのか本質を掴みにくいと思います。また、企業がDX事業に取り組んでいくためにも必要な知識です。ということで、今回はDX化とIT化の違いのお話です。

DX化とIT化のそれぞれの意味

 DXが日本社会で頻繁に使われるようになってからそれが所謂IT化と混在するようになり、何でもかんでもDXという言葉に集約されています。それに便乗したITベンダー企業がDXと称したサービスをユーザー企業に売り続けて儲け続け本質的なDXには至らない、なんちゃってDXという悪い事例も揶揄されるようになりました。そうならないように、ユーザー企業のITリテラシーの向上はますます必須となるでしょう。

 IT化はこれまでのペーパーワークや手作業などの属人化した業務をデジタル技術によって簡略簡素化、コスト削減することを主にさします。

 DX化はIT化したツールや技術、企画を前提に新しい付加価値を商品として提供することをさします。

IT化が先にあり、IT化ありきで生まれるのがDX化です。IT化ではデータのクラウド化、SaaSなどを導入し業務効率化や自動化によるコスト削減や社内のリレーショナルなデータ連携の構築であるなど将来の変革に必要な基礎を行うことに該当することが当てはまります。DX化はIT化されたプラットフォームでこれまでにない新しいサービスや新しい付加価値の提供、より顧客満足度の高い顧客体験の実現することをさします。IT化は主に内部的ツールに特化した事象であり、DX化は対顧客へ向けての外部ツールと捉えると良いかもしれません。目の前のITが内向きであればIT化、外向きであり新しい何かを生み出していればDX化です。

DX化とIT化の例 

 上記のように例を出してみました。左側と右側が異なるものであり、また左から右へ連動しているものであることがわかるのではないでしょうか。魚屋さんがEC開始としましたが前段階にIT化があって戦略的なEC(購買データからAamazonのようなレコメンドあったり、チャットボットで質疑応答が可能のような)であればDX化に分類されるでしょうが、恐らく今はそんな中小企業はないと思うのでIT化にしています。例えば、スタートアップ企業の食べチョクは1次産業におけるDX化された企業といえるでしょう。

目的と手段

 IT化が手段であり、DX化が目的とするとより明確になりやすくなると思います。はじめは小さな部門や部署で自動化による業務効率化によって1人あたり人件費を削減することができたというものはIT化のカテゴリーに分類されますが、これが部署や部門、販売・製造・会計の会社全体に横断して自動化による業務効率化になるとこれはDXと言えます。ここがポイントですが、ITにする・デジタル化を基盤に飛躍的に成長するということがDXです。修正や補強ではなく、圧倒的な変革・変容するのがDX。これは大げさではなく必ず成しえることです。DXの失敗例の1つにあげられるのがIT化を目的としてしまうこと。IT化はあくまで手段なので気を付けなければいけません。DXは、既存の個別領域をデジタルに適用させ、組織を変革し新しい事業モデルへと転換していく指標なのです。

DXの現在

 今回は、DX化とIT化について話しました。さて、昨日(令和3年8月31日)に経済産業省からDXレポート2.1が公開されました。デジタル庁発足の前日にぶつけてきたようにも思えて、省庁の垣根を越えられるのかなど勝手な妄想を膨らませております(笑) レポートの中身は平成30年レポートと大して変わりありませんでしたが、私が注目したのは今後の展開について。注目したところが

 DX認定事業者への優遇措置が期待できる点です。すでに、DX認定事業者はソフトウェア投資に最大5%のDX促進投資税制が見込まれており、事業規模に問わず個人事業主も対象。他の政策も検討中です。21/9/1現在150社前後の企業が登録されており、そこを見れば他企業がどんなDXをしており、またどのように登録が認められているのかが分かります。gBizIDを持っていれば申請可能です。経済産業省は兼ねてよりDX推進を押し進めているのでDXを進めて認定された事業者に恩恵があることは現実味ある話だと思います。さらに、現実にDXが叶うとビジネスでは揺るがない先行優位も働き一石二鳥です。

 DXの普及はまだまだですがこれをチャンスに成長することもできます。事業規模やドメインに関わらずすべての人がフィールドに立てる時代を迎えています。職域職種に縛られず、どんな仕事もこなせ、兼業でき生産が可能です。

 次回は、DXに必要な要素と何のためにDXをするのか です。

出典:経済産業省DXレポート2.1

出典:食べチョク

出典:DX認定事業者一覧

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